かつやま抄−6月− やまびこ句会 

やまびこ句会 (指導者 藤田ひろむ)


花は葉に陶板の詩は赤壁賦     藤田ひろむ

茶の芽五葉すでに耀ふ山日和        相原喜美栄

洋墓のデザイン思案夏近し         相原 誠則

揚雲雀空飛ぶドローン戒めり        井関 智造


住職は保護司兼ねたり五月来ぬ       井上 恵子

峡三戸守りては桐の花明り         後藤紀美子

葱坊主園児の如く並びけり         仙波 公江

合掌仏足下にすいと水澄          鈴木ルリ子

朝夕に一枚羽織る苗代寒          船田としこ

葱植うる畑に未だ立つ葱坊主        松本 章見

雀来る雀隠れの国有地           吉田 眞澄

 

かつやま抄−5月− 松山渋柿会 卯月句会 

松山渋柿会 卯月句会 (指導者 平本 故渕)


春寒し口紅うすき寡黙人       平本 故渕

もの寂し鹿鳴く島の余寒かな        森岡 布紗

紅梅や石塀高き浜の家           矢野 勝三

大小の尻並びたる汐干かな         黒田 耕風


羽衣のごとく羽織るや春ショール      正岡佐衣女

余寒なほ黄泉へ旅立つ友のあり       岡田 幸燕

誰を待つ首長うして春大根         武知 恭二

立春や夫婦で歩む社道           四方 旬石

子育ても終りし鳥や雲に入る        岡本 明久

寒明けの朝日燦々窓磨く          清岡伊都子

影にさへつまづく齢二月来る        岡田 知二

 

かつやま抄−4月− 山の句会

山の句会 (指導者 大西 素之)


千年の半跏を解かず春の雪      大西 素之

霾や父の好みし駱駝シャツ         西田 礼子

不器用は強さのひとつ残り鴨        吉田百千草

水よりも光集めて雪解川          沢田 美文


このあたりに住まひいたすか孕み猫     名本 敦子

白梅や後ろ手に父遠ざかる         武知 眞美

チェリストの調律長し木の芽雨       池田さち子

没落の一部始終を享保雛          土居 桂子

紙漉いて漉いて育てし力瘤         宮中 敏子

薄氷の流るるやうに人の逝く        大野美代子

春はあけぼの縄文土器に火の匂ひ      堀元 美恵

 

かつやま抄−3月− 春秋 大洲句会

春秋 大洲句会 (指導者 酒井 絹子)

灯を消して部屋の水仙香り来る    酒井 絹子

早春の一灯揺らぐ佐田岬          古岡 和子

菜の花や段々畑埋め尽す          土井美恵子

まだ固き桜の蕾小学校           二宮千恵子


いつも飲む薬一粒春浅し          長谷 孝子

山茱萸の花芽のぽちと今朝の庭       河野 朋子

仕切りせぬ四人病室日脚伸ぶ        大野 千恵

神南備を越えてくる風二月来る       寺岡 和代

一年梅組二十八名梅開く          藤澤 路子

桜餅供へて愚痴をこぼしをり        中田 啓子

芹の水はらから遠くなりにけり       森本 節子

 

かつやま抄−2月− ささゆり句会 

ささゆり句会 (指導者 宮内佐代美)

文質彬々寒梅にして白し       宮内佐代美

初春や長者ヶ平より登城せり        相原眞佐子

石垣の刻印寒に入りにけり         首藤千鶴子

天守まで歩かう早梅見たいから       福本ひろ子


穏やかに雲流れ行く七日かな        河東由美子

老松の胸張つて立つ太郎月         重崎 光子

冬の梅時の流れの中にかな         糸川 信子

老松の走り根隆と淑氣滿つ         三好 和江

抽斗の多き小箪笥日脚伸ぶ         黒田 順子

大火鉢一人ひとりと子ら巢立ち       桐山 洋子

井戸端に無花果の木や冬暖か        谷口恵美子

 

かつやま抄−1月− 結社「花」あららぎ句会 

結社「花」あららぎ句会 (指導者 有光令子 )

ひむがし明くるぴしぴしと冬木の芽  有光 令子

絵心経冬の白蝶来てをりぬ         越智千代子

遠き日やむらさき深き通草の実       坂本 靖子

朝寒や地に鳴く鳥の尾を高く        佐々木真理


灯を消して月の光のその中に        重信トシ子

立冬の日ざし紅茶にばらのジャム      下岡 順子

軍服の遺影が二つ冬座敷          田坂シズ子

子規鳴雪在す御寺や小鳥くる        長岡 静子

一片の汚れもあらず冬の空         弓矢登志子

一声を放つ一鳥そぞろ寒          柚山つゆ子



 

かつやま抄−12月− 天狼 紅日句会

天狼 紅日句会 (指導者 三好 曲 )

下り簗崩れし所水走る        三好 曲

冬ざれの河原石ころばかりなり       久保田由布

流れゆく水に落ちたる草の絮        川内 雄二

総身に冬日遍し涅槃像           三好あさ子


吊し柿丸く小さく乾きたる          大坪 絢子

小春日和瞼ふっくら寝釈迦仏        浅野あけみ

日を浴びて墓所の一角破芭蕉        今西 愛子

石手川中洲の一群草紅葉          加藤 敏史

吊橋の揺れ綿虫を見失ふ          定岡あゆみ

高昌寺孝子桜が紅葉せる          鈴木とし子

せせらぎに芥もくたの下り簗        西本里江子

 

かつやま抄−11月− つはぶき句会

つはぶき句会 (指導者 渡邊孤鷲)

熱燗を乾し上燗を乞ひにけり     渡邊 孤鷲

その一つに箸の穴あり蒸し藷        矢野 岳照

名月の翳を落すや虫籠窓          井上 恵子

精米所ふくら雀を遊ばしぬ         鎌田サチ子


(境港)てら〱と妖怪像や夕時雨       細川 幸秀

各紅葉移ろふまゝの飾り窓         久保田正一

遠き日を偲ぶ一粒冬苺           立花 慶三

鰤照りや俎板皿の分厚き身         竜子 浩之

寒柝の音を間遠に長湯かな         藤本 隆文

冬の日や白波洗ふ瀬戸の島         山田 英樹



 

かつやま抄−10月− やまびこ句会

やまびこ句会 (指導者 藤田ひろむ)

露草の凛と伝ふる古窯址       藤田ひろむ

鵙高音島に給水記念の碑          吉田 眞澄

名月の翳を落すや虫籠窓          井上 恵子

涼新た寺門へつづく摩尼車         内海トミコ


煤竹の籠編み進め月を待つ         栗田 和子

月代や中洲に置ける椅子四つ        菰田美佐子

露草の露まで碧し菩提坂          後藤紀美子

蜻蛉の翅の影まで水に映ゆ         永江としこ

避難路を照らしてをりぬ今日の月      松本 章見

お屋敷の玄関までの萩の道         宮田 充子

子規句碑に神に鈴の音爽やかに       森  恵子

 

かつやま抄−9月− 山の木句会 

山の木句会 (指導者 嶋屋都志郎)

若者の抜手夕日が沖にあり    嶋屋都志郎

来年も生きるつもりの種を採る       青野 勝子

浴衣着る青年青臭い匂い          マーペー

雨風にたへて傾く百合の花         浅尾 節子

片蔭といふもののなし帰り道        石丸 徳子

水光り石も光りぬ日の盛り         井上 潤一

雀ちゅんちゅん釣鐘草は横を向き      榎並 貞子

知らぬふりするも労り酔芙蓉        佐伯 健二

横綱の負けし一番大西日          佐伯由美子

終戦日カレーライスにソースかけ      佐藤 璋

吾が背より高きに咲きて百合の花      吉岡 英雄

過ぎ行くを人は待つだけ霹靂神       渡部 節子
 


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書いた記事数:90 最後に更新した日:2017/11/29

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