かつやま抄−10月− やまびこ句会

やまびこ句会 (指導者 藤田ひろむ)

露草の凛と伝ふる古窯址       藤田ひろむ

鵙高音島に給水記念の碑          吉田 眞澄

名月の翳を落すや虫籠窓          井上 恵子

涼新た寺門へつづく摩尼車         内海トミコ


煤竹の籠編み進め月を待つ         栗田 和子

月代や中洲に置ける椅子四つ        菰田美佐子

露草の露まで碧し菩提坂          後藤紀美子

蜻蛉の翅の影まで水に映ゆ         永江としこ

避難路を照らしてをりぬ今日の月      松本 章見

お屋敷の玄関までの萩の道         宮田 充子

子規句碑に神に鈴の音爽やかに       森  恵子

 

かつやま抄−9月− 山の木句会 

山の木句会 (指導者 嶋屋都志郎)

若者の抜手夕日が沖にあり    嶋屋都志郎

来年も生きるつもりの種を採る       青野 勝子

浴衣着る青年青臭い匂い          マーペー

雨風にたへて傾く百合の花         浅尾 節子

片蔭といふもののなし帰り道        石丸 徳子

水光り石も光りぬ日の盛り         井上 潤一

雀ちゅんちゅん釣鐘草は横を向き      榎並 貞子

知らぬふりするも労り酔芙蓉        佐伯 健二

横綱の負けし一番大西日          佐伯由美子

終戦日カレーライスにソースかけ      佐藤 璋

吾が背より高きに咲きて百合の花      吉岡 英雄

過ぎ行くを人は待つだけ霹靂神       渡部 節子
 

かつやま抄−8月− いつき組句会 

いつき組句会 (指導者 夏井いつき)

肩口に写楽の顔のある浴衣     夏井いつき

弟の弱虫の手を引く浴衣          鞠 月

浴衣着る青年青臭い匂い          マーペー

翻る浴衣の裾や中華街           理 酔

下心ぬらぬら浴衣張り付きぬ        てんきゅう

遅れ来る浴衣たつぷり風孕み        亜桜みかり

浜辺にて星を身に浴ぶ藍浴衣        なぎさ

太鼓撥投げ捨て浴衣より諸肌        日暮屋

破廉恥と言はれ浴衣の裾おろす       あねご

初浴衣恋も知らない歩けない        ともぞう

浴衣脱ぎ捨て大砂嵐なる力士        大五郎
 
(「俳句甲子園」実行委員会副委員長)

かつやま抄−7月− あららぎ句会 

あららぎ句会 (指導者 有光 令子)

ほとけふくよか紅萩の走り咲く    有光 令子

歳月のたしかに巡り枇杷熟るる       青井 敏子

万緑の中ふるさとは米どころ        越智千代子

梅雨の蝶古刹は深き黙の中         越智由紀子

束の間の梅雨半月や真夜なりし       重信トシ子

埋れ木の四千年や梅雨深む         下岡 順子

小流れの奏でそめたる梅雨入かな      白石 圭子

自己主張してあかあかと蛇苺        田坂シズ子

河鹿鳴くこの道平氏落ちゆきし       高橋 桂子

四阿に風自在なり夏燕           長岡 静子

紫陽花の谷に流るる風のいろ        八木 昌子

 

かつやま抄−6月− 春秋 山の木句会

春秋 山の木句会 ( 指導者 嶋屋都志郎)

昨日より少しぬくくて早起きす    嶋屋都志郎

父子草抜き母子草抜かずおく        青野 勝子

たんぽぽに触れていたづら心かな      榎並 貞子

死ぬといふこと忘れをり山帽子       佐伯 健二

誰もみな用のあるらし街薄暑        佐伯由美子

夏きたる日本丸の白き帆に         佐藤 璋

憲法記念日町のはづれの大欅        武智 和美

大空をひつくり返し夏燕          高橋 草天

柏餅買つて来いよと夫の声         二宮 玉恵

波寄せて返す砂浜あたたかし        松本かつら

まだ母の在るといふこと花は葉に      和田 節子



 

かつやま抄−5月− 山の会句会

山の会句会 ( 指導者 大西素之)

初蝶や風に瀬もあり堰もあり     大西 素之

翡翠の彩射止めたる双眼鏡         西田 礼子

風が寄せ水が結びて花筏          宮中 敏子

照り降りに弄ばれて花の客         名本 敦子

名残花前へ前へと鳩の首          土居 桂子

能面の奥の素顔や花の冷え         安永 和子

終楽章あとの沈黙鳥交む          吉田百千草

残る花老いゆくことを諾へり        沢田 美文

流れ来て堰に解かるる花筏         池田さち子

珈琲といふ選択もよし花の雨        東  麗子



 

かつやま抄−4月− 柿 潮見平田句会 

柿 潮見平田句会 ( 指導者 吉武宗史)

太陽となりて花壇の金盞花      吉武宗史

アネモネのもつとも風を受けてをり     野間須幾久枝

卒業へ正門広く開きけり          竹田 香代

トンネルの入口出口陽炎へる        仙波セツ子

あたたかき夜風や庭の石ぬれて       大内  緑

誰にでも尻尾ふる犬いぬふぐり       坪内 幸子

杖曳くも歩く幸せ花の中          大内 保子

天辺に無数に咲きし椿かな         白石ツナ子

峠越え鄙びし村の山桜           井上 暎子

うぐひすの変哲もなし鳴かぬ時       大本千恵子

本買うてもどる近道紫木蓮         和田ちづ子

 

かつやま抄−3月− やまびこ句会

やまびこ句会     ( 指導者 藤田ひろむ )

磐境の曾て山繭やどりし木      藤田ひろむ

冴返る独りの杖の音もなほ         吉田 眞澄

大寒や荒石の秘む発破音          相原喜美栄

石積みの梯子揺らすや椿東風        相原 誠則

天辺の棚田暮しや炭を焼く         井上 恵子

金纓梅の先づ咲きはじむ父祖の山      後藤紀美子

短日の古新聞を先づ括る          仙波 公江

虚子筆塚ほのと紅置く寒椿         林 美沙子

水の音言葉少なき紙漉女          日野 和美

書き出しの決まらぬ文や春炬燵       宮田 充子

東雲や堰を越えゆく初鴉          森 恵 子

 

かつやま抄−2月− 松山渋柿会 大街道・卯月句会 

松山渋柿会 大街道・卯月句会 ( 指導者 平本故渕 )

内戦の他国は悲し去年今年     平本 故渕

穏やかに明け中吉の初神籤         黒田 耕風

 一病に一病加へ寒に入る          矢野 勝三

嫁が君世の中斜に構へをり         正岡佐衣女

機音のリズム乱れし寒の入り        森岡 布紗

背くらべ孫に越されし初鏡         小倉 博堂

独りゐることの安らぎ白障子        岡田 幸燕

肩馬の孫手を合す初詣           四方 旬石

初詣一期一会の御籤ひく          岡田 知二


 

かつやま抄−1月− サルビア句会

結社「花」 サルビア句会 ( 指導者 有光令子 )

人呼びて吾がこゑの透く冬木立    有光 令子

杜鵑草素直に過ごす日のありて       稲田 幸

いわし雲手を上げて待つ渡舟        梅田 禮子

朝寒の山に響きて鳥の声          佐々木真理

寿命てふ不思議を生きて吾亦紅       重信トシ子

冬晴や智恵子の空の青と思ふ        関谷 睦美

偽らず己うつせる初鏡           高柳とよ子

相槌を打つだけ母の日向ぼこ        松岡 秀子

長屋門閉ざされてゐる木守柿        永井タツ子

追憶の祖母と石榴と夕茜          弓矢登志子

舞ひ出づる般若の面の息白し        佐賀 博

 


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書いた記事数:92 最後に更新した日:2018/02/05

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